― いらっしゃいませ。禁書堂へようこそ。
当書店は、AIによって編纂された“架空の学術書”のみを取り扱っております。
内容は虚構、されどその構造は学術的に整然。
研究書でありながら、どこか現実を侵す不穏な気配を孕んでいます。
本棚には、異端の宗教論・古代異文明の幻の言語辞典・人類未到達の科学理論など、存在しないはずの叡智が揃っています。
その中には、存在そのものが“禁じられた”書も──。
読者は選ぶのではなく、選ばれる。
ここは、知識に魅入られた者だけが辿り着ける、静かなる異界。
――禁書堂、開架中。